使用機材

カメラマンにとって生命線とも言える撮影機材。

スマートフォンでは撮れない写真を撮るために、物件撮影屋は撮影機材にこだわっています。

ボディ

ボディは、SONYのデジタル一眼レフカメラ「α7 IV」を用いています。

α7 IVは、フルサイズセンサーを搭載しているため、スマートフォンに比べて、多くの光を取り込むことができます。

つまり、スマートフォンや一般的なデジタルカメラに比べて、明るい写真を撮影できるということです。そのため、まだ電気が通っていない物件でも、部屋を明るく撮影することができます。

参考までに、iPhone15 Proのセンサーサイズは1/1.3インチで、サイズだけで見れば、フルサイズセンサーの足元にも及びません。

また、α7 IVは動画撮影にも強く、4K動画を撮影できます。

有効画素数は3300万画素なので、一般的な利用であれば十分すぎるほどの画素数となっています。

レンズ

物件撮影屋で、もっともこだわっているのがレンズです。

物件撮影屋では、SONYの「FE 14mm F1.8 GM」と「FE 24mm F1.4 GM」の2つのレンズを使い分けています。どちらも「G MASTER」にカテゴライズされている最高品質のレンズです(それぞれ約20万円します……)。

まずは焦点距離について説明しましょう。

焦点距離は「mm」で表記されるもので、数字が小さければ小さいほど、広く移すことが可能です。一般的には、12mmから24mm(35mm換算)が超広角レンズに分類されます。

物件撮影の場合、より広く見えるように撮影するのが基本です。そのため、12mmから24mmのレンズで撮影されることがほとんどとなっています。

参考までに、24mmレンズは、iPhoneのカメラで言うところの「×1」の画角です。また、13mmレンズは、iPhoneのカメラの「×0.5」の画角に該当します。

一般的に、ほとんどの物件撮影業者が用いているのが12mmから24mmのレンズです。シーンに合わせて、焦点距離を使い分けることで、構成の整った写真を撮影しています。

そして、もう1つ説明したいのが「F値」です。簡単に言えば「F値」はレンズの明るさを示すもので、F値が小さければ小さいほど明るくなります。

物件撮影屋が利用しているレンズは「FE 14mm F1.8 GM」と「FE 24mm F1.4 GM」なので、どちらも極めて明るいレンズです。フルサイズセンサーを搭載したα7 IVと組み合わせることで、どんなシチュエーションでも明るい写真を撮影できます。

一方で、ほとんどの物件撮影業者が利用しているレンズは「12mm-24mm F4」で、機材に相当こだわっている業者でも「12mm-24mm F2.8」だと思われます。

F1.8やF1.4の明るさを持つレンズを利用している物件撮影業者は、滅多にありません。理由は主に2つあります。

1つめは、シンプルに高価だからです。同じ焦点距離でもF値が小さくなるだけで、レンズ1本あたりの価格が10万円以上変わってきます。参考までに、SONYの「FE 12-24mm F4 G」の希望小売価格は290,400円ですが、「FE 12-24mm F2.8 GM」の希望小売価格は465,300円です。

2つめの理由は、多くの物件撮影業者では、撮影効率を高めるために、ズームレンズを利用しているためです。ズームレンズとは、焦点距離を変えられるレンズのことを指します。例えば「12-24mm」の場合、12mmから24mmで焦点距離を変えられるということです。

一方で、私が利用しているレンズは単焦点レンズです。単焦点レンズは、焦点距離を変えられない代わりに、F値を小さくすることが可能です。現在、12-24mmのズームレンズでF2.8を切る商品は、この世に存在しません。F2.0以下の明るい超広角レンズを利用するには、単焦点レンズしか選択肢がないのです。

そして私が利用している「14mm F1.8」は、世界最高レベルの「超明るい超広角レンズ」です。それはつまり、どんな物件でも「より広く、より明るく」撮影できるということです。

正直に言うと、ある程度の日の光を確保できるリビングの撮影では、レンズでそこまで大きな差が出ません。一方で、トイレやお風呂場のように、光源を確保するのが難しい場所で、レンズ性能の差が大きく出てきます。

さいごに

以上の通り、物件撮影屋では、部屋をより明るくより広く撮影するために、世界最高レベルの技術が詰まったカメラとレンズを使用しています。そのため、ワンルームサイズの部屋を広く見せたり、まだ電気が通っていない物件でも明るく撮影したりすることが可能です。

東京圏で不動産を所有・管理している方は、ぜひ物件撮影屋の利用をご検討ください。